香納 諒一『血の冠』

血の冠

血の冠

ものすごく猟奇的な物語なんだけど会話がほぼガチ青森弁(多分)なんで緩和されるというか、少なからず意識が会話を読み取ることに向けられるので密度が薄まるというか・・・それを意図してのことかはわかりませんが、 思ったほどいわゆる“グロさ”は感じませんでした。犯人というか事件の構図はきっとそうだろうなぁと思った通りでしたが、クライマックスシーンがドタバタすぎてちょっとよくわからなかったし、動機というか心情面にもうちょっと踏み込んで欲しかったなと思った。主人公の養父や妻から見た主人公の描写もあったらよかったのに。あえてそこらへんを簡素にすることで湿っぽさを排除しようとしたのかもしれませんが。