『RHプラス』11th Blood

プチ家出したまこちゃんが
「過去と向き合って、前へ進むしかないんだ!」
という政和の言葉を受けて、過去と向き合い、それを乗り越えようとするクライマックスへの序奏といった回でした。


いつもの平和で暖かい朝の食卓にミスターからもたらされた“以前、誠がいた教会の神父が殺され、犯人は多分吸血鬼”という知らせに、「昨日、その教会に過去と決別するために行った」と爆弾発言するまこちゃん。
「なんで?」「何時頃?」「誠はその神父のことをよく知ってるんだよね?」と矢継ぎ早に質問を重ねる政和とあげは。それになにひとつ答えられない誠。
「二人ともやめなさい」というきよいさんの一喝で静かになるも食卓の空気は激重に・・・。
「・・・・・・疑ってんの?俺は殺してないっ!」
そう叫んで食卓を飛び出す誠を見て
「ひどすぎます。あんな尋問のような聞き方!」
強い口調で二人を責めるきよいさん。
でも「別に疑ってなんかいないよ?」「誠はあの教会に行ってたんだぜ?何をしてたか聞くのが普通だろ」とキョトンとした顔で言い返す二人。二人の言い分も一理あるってか、二人にとってはまこちゃんを疑うなんてそれこそありえないことで、ふっつーに、ただただ普通の会話の延長線で口にした言葉だったのだろう。
でもきよいさんはそれを承知の上でなお、
「一緒に暮らしてて分かんないんですか?・・・ああいう聞き方をしたら誠くんが傷つくってことを!・・・覚えてないんですか?誠くんが来た日のことを。誠くんがどんな思いをして、この月長館に来たのかを」
と。
ひとり部屋で膝を抱えてうつむくまこちゃんは
「疑われても仕方ない。確かに、あの頃の俺は・・・」


あーもうつらいわー。そんなつもりないんだよ。あげはも政和もまこちゃんを傷つけるつもりなんて微塵もないんだよ。それどころか二人の中では今の誠が、笑えるようになった誠が“日常”であって、だからこそ何の気なしに質問しちゃったりしたんだよね・・・。


中学時代のまこちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!24歳なのに普通に中学生を演じられるまこちゃんスゴス。放送(撮影)からそれなりの時間が経ち、本来の姿というか誠ではなく三浦悠くんとしての姿を知った今となっては誠を演じてた三浦くんはまさに奇跡のような時間だったのだと思うわ・・・。

幼い吸血鬼って・・・・・・・・・大変だよなぁ。あげはみたいにきよいさんという保護者(吸血鬼の先輩)がいればいいけど、まこちゃんはそうじゃないわけで、自分の飢えを満たすにはどうすればいいのか、どう生きていくべきなのか、それが分からないのって想像を絶する恐怖と苦痛と孤独・・・なんだと思う。


幼い吸血鬼・誠は飢餓感に負け、ついに神父の血を啜ってしまう。神父を殺したと思った誠は街を彷徨い、そしてビルの屋上から飛び降りる。
その瞬間あげはは必死に手をさしのべ・・・
先にその手を掴んだのは誠。あんなにもまるで“無”のような表情でいながらも、ほんとは生きたい、きっと“普通に”生きたいんだろう。でも「俺には、生きる資格なんてない」。だって人の血を吸って生きるしかない吸血鬼だから。身体の中に孤独と絶望しかない誠にとって、あげはの「仲間。・・・・・・きみの仲間」って言葉はどれほどのものだったのだろう。そして連れて行かれた月長館できよいさんと政和も仲間だと知った誠の驚きと喜びはどれほどのものだったのだろう。
・・・と思ったのに、ここで一緒に暮らそうと誘うあげはの言葉に
「俺のこと、飼ってくれるの?」
って・・・・・・。まこちゃんかわいそう・・・・・・・・・。*1
でも、そんな誠に驚くことも怒ることも引くこともなく、
「ちがうよ。一緒に暮らすんだ。あったかい布団で寝て、学校に行って、一緒に夜更かししてゲームやったりして、普通に暮らすの」
と穏やかに言うあげは。
政和も
「なんなら教えるぜ、上手な狩りの仕方(にやにや)」
そして
「人間の中で暮らしていく術もね(にっこり)」
ときよいさん。
「でも・・・・・・・・・いらなくなったら・・・捨てるんでしょ?」
「お母さんだってそうだった。・・・ずっとずっと優しかったのに、怖いって・・・・・・悪魔の子だって。もう飼えないって。だから・・・・・・捨てたって・・・」
今にも壊れそうな顔をして、綺麗な涙を流しながらなおも言う誠。
そんな誠を痛ましげに見やるきよいさんと政和。
そしてあげはは力強く誠を抱きしめ
「だいじょうぶ。・・・捨てないって約束する。君が必要とする限り、そばにいるよ・・・。寂しくなったら・・・・・・今の約束を思い出して」

と・・・。


ああ・・・この三人の言葉って、2話でまこちゃんを監禁した亜美に向かってまこちゃんが言った「あったかいご飯や布団・・・ここにいてもいいっていう優しい言葉。・・・俺が欲しいのは、そういうものなんだ。ねぇ、キミは本当は何が欲しいの?」ってのとリンクしてるんだね。あの時のまこちゃんはこの時のこの言葉を覚えてたというか、この言葉を救いとして生きてたのだと今は分かる。そして、あの時のまこちゃんはここにいてもいいっていう優しい言葉をまだ欲してたって、つまりまだ自分が家族の一員だとは思ってなかったってことなんだよね・・・。月長館であげはたちと共に暮らすうちに笑顔も増えたし口数も増えた、でも本当の意味で自分がここにいてもいいんだって思うようになれたのはつい最近のこと・・・もしかしたらまだ誠は心の奥の方でいつか捨てられるって怯えてるのかもしれない。孤独になる恐怖を知ってるきよいさんは、きっとそのことを分かってる。だからそのせいで二人よりもちょっとだけ過保護になってしまうのよね。なんたって保護者だから。


その時のことを思い出しながら、「誠くんとの約束を守るなら、今がそのときじゃないですか?」ときよいさん。
政和とあげはは誠の部屋のドアをノックし
「ごめんね。」「ごめんっ」
神妙そうな、そして心配そうな顔つきで謝る二人に
「みんなの気持ちを疑ったのは、俺のほうだ。ごめんなさい」
と言いながら頭を下げ、そして
「みんなと出会えて、よかった。少しずつ、自分が嫌じゃなくなって、自分の居場所が見つかったような気がして、でも、どうしてもあいつのことが忘れられなくて、ちゃんと生きてる姿を見れば、自分が殺したんじゃないってちゃんと確認できれば」
とこれまでで一番、自分の気持ちを力強く言葉にしたまこちゃん。
そうかー。これはまこちゃんなりに過去を乗り越えるための試練、通らなければならない道だったんだよね。願わくば教会に行く前にあげはなり政和なりにそのことを言ってってくれればよかったけど、そこはまこちゃんだもんね、みんなに心配や迷惑をかけたくなかったんだろうな。


てかこの神父ってまこちゃんをどうしようとして手元に置いたの?虐待するため?吸血鬼を飼いならせるとでも思ってたとか??


ついに登場したまこちゃんのパパ、全身黒衣に身を包み、マントのごときロングコートを翻す村上さんカコヨス!!!!!
「きっと今じゃ俺に似て、ものすごくかわいいに決まってるじゃないか」
“俺に似て”“ものすごく”“かわいい”ですか・・・・・・。今回は最初から最後までシリアス一辺倒で笑い一切ナシだと思ってたら最後の最後で村上さんが笑かしてくれましたw。さすが村上さん、素敵です。

*1:ちょっとここで記憶をなくしたC.C.を思い出したわw