越谷 オサム『陽だまりの彼女』

陽だまりの彼女

陽だまりの彼女

中学時代のちょっと変わった幼馴染と10年ぶりに仕事で再会した俺。学年有数のバカで間抜けで冴えない苛められっこだったのにどこからどう見てもデキる女に変貌した姿に驚きつつも、以前と変わらないところもたくさん残した真緒に俺はぐんぐんと惹かれていくが、そんな真緒は驚くべき過去を抱えていた。


この人の作品を読むのはこれで3冊目なのですが、確信しました。わたしこの人の作品がだいすきです。運命的な再会を果たしたバカップルがひたすらイチャコラするという最も嫌いな話だってのに、ラスト13ページはまじ泣き。電車の中で鼻水ずるずる啜りながらまじ泣き。途中でうすうすそういうパターンなんだろうなってのは気が付いたんだけど、それは決して嫌いなパターンではなく、むしろ望むところというか、要するにこういうのツボなんです!(←ラブストーリーで泣いたのが恥ずかしいのでキレ気味で)。冷静に考えるとありえないレベルのファンタジーなんだけど、でも絶対にないとは言い切れないというか言い切りたくないというか・・・こんなことがあったら素敵だなぁって想いを抱ける人間でいたいなーと、そんなことを考えたりしました。
毎回感想で書いてますが肩の力が抜けた文体が心地よく、まるで友達と会話してる感じで読めるんだよなぁ。しかも毎回作中の舞台に馴染みがありすぎて、そこらへんも親しみを感じる理由なのかも。