- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/04/06
- メディア: 単行本
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“世の中は悪意で満ちている”というありがちなフレーズが思い浮かびました。
みんな悪いしみんな馬鹿だし、人間なんてほんとどうしようもない生き物だと思う。加害者の側にも被害者の側にも家族がいてそして理由がある。どちらの立場であれ誰もが立つ可能性がある。そしてこれもまたありがちな意見なんだけど、やっぱり一番“悪”なのは安全なところで不幸を楽しむ大衆、この物語の中で言えば被害者の家にファックスを送るやつらだったり、犯人とされる大学生の仲間たちだったりだと思う。もちろん自分を安全地帯に置いた上で好き勝手なことを言うマスコミもそれを見てさらに好き勝手なことを言う視聴者もみんな同じなんだけど、それはもうそういうものだし、さすがにそこに噛み付けるほどの理想論は吐けません。