東 直己『探偵、暁に走る』

探偵、暁に走る (ハヤカワ・ミステリワールド)

探偵、暁に走る (ハヤカワ・ミステリワールド)

<俺>シリーズ最新刊です。
以下、内容に触れてます




イラストレーターであり、北海道ローカルテレビ番組に出演している地元ではちょっとした有名人の男とひょんなことから知り合いになった俺は呑み友達となったが、ある晩、その友人が何者かに刺されて死んだ。俺は、友人を殺した犯人を捜すことに決めた。事件の背後に見えるわか組織の影。そして俺はまたもや危ない目に遭う羽目に・・・。とまぁそんなストーリーです。帯にでかでかと『殺された友の無念を晴らす!』と書かれてるんで、レギュラーの誰か(特に高田)かと思ってびくびくしながら読みました。びっくりさせんなよもう。びっくりさせんなと言えば、こっちはうれしいびっくりなんだけど、相田が生きてたよ!どんな姿になろうとも、相田はやっぱり相田でした。ちょっと涙が出た。
それ以外は全編相変わらずの登場人物たちが相変わらず飲んだくれてるという印象で、まぁ変わり映えしないよねって言っちゃえばそれまでなんですが(松尾の出番が多い分、高田の出番がほとんどなくて物足りなかったけど・・・)、いつもよりも道警(権力)批判が控えめというかさりげなく描かれていたので今はそういうバイオリズムなのかなと思ったりしました。
相田さんの世話人として新たに登場した石垣くんが素晴らしく好みの人物でときめいてしまいました。なんていうかな、砂漠の中のオアシスみたいな感じ。