大村 友貴美『首挽村の殺人』

首挽村の殺人

首挽村の殺人

岩手県にある雪深い鷲尻村。医師不足に悩む村に、期間限定ではあるが東京から待望の医師・滝本が赴任することに。喜ぶ村の人々だが滝本の着任後、謎の変死が立て続けに起こる。かつて“首挽村”と呼ばれた村に伝わる昔語りに秘められた忌まわしい過去が、驚くべき事件の鍵となる。


第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作。雰囲気は抜群ですが、誰が探偵役になるんだろう・・・?と思ってる間に事件が終わってました。首挽村と呼ばれる理由となった過去の歴史は結構なおどろおどろしさだし、地方の寒村の高齢化や医療事情など現代を反映させる要素も入っていて決して内容が薄いわけではないのに、読み応えがないのはどうしてだろうか。誰一人魅力を感じる登場人物がいなかったせいだろうか。何味が足りないって具体的に指摘できないんだけど、なにかが一味たりないせいで薄らボンヤリした味になっちゃってる・・・そんな感じ。なんだかいろいろと惜しいな。