[E]『ある日、ぼくらは夢の中で出会う』@全労済ホール/スペース・ゼロ

面白かった!すっごく面白かったです。誤解を招く言い方しますけど、ここんとこ真っ当な舞台を見てなかったんで、久しぶりにシンプルな舞台を見ることができてなんだかすごく新鮮な感じがしたし、まぁキャストが全員好きって時点で勝ったも同然(何に?w)なんだけど、それを抜きにしてもほんと面白かった、間違いなく(わたしの中での)今年のベスト3に入ると思う。
舞台上には4人の男のみ。方や刑事、方や誘拐犯、それを全員1人二役で演じるわけですが、役割分担的にはどっちも同じようなポジショニングで、土屋さんがリーダー、津村さんが飄々とした2番手で、中村くんが一番動ける中堅どころで永山くんが夢と理想溢れる新入りという役どころ。それがまんま現実だとは思ってないだろうけど、映画やテレビで見た刑事像や犯罪行為がすんなり現実とリンクしてるというか、テレビの中で使われてる業界用語なんかがそのまんま現実でも使われてると何の疑いもなく思ってる永山くんの視点で物語は語られ、そんな永山くんの現実=リアルを3人がことごとくアホな展開でばっさばっさと切り捨てていく。笑いでくるまれてはいるけれど、何が現実で何が虚像なのか、自分が思ってるものが正しいとは限らなくて、自分が思うオリジナリティ=独創性は果たして本物なのだろうか、本物と偽者の境界線はどこにあるのか、そもそも本物の定義はなんなのか、合わせ鏡を覗くと自分がどこまでもどこまでも居て、どの自分が本当の自分なのか一瞬分からなくなるような、そんな酩酊感を感じました。舞台上で演じられる物語は当然ながら現実ではないわけで、でも劇場という空間の中では演じてる側もそれを見てる側もその瞬間は現実なわけで、なんて言ったらいいのかなぁ・・・演劇の本質とは何かということに真っ向から向き合ってる、向き合おうとしてる・・・そんな作品だと思いました。結構前に書かれたものだそうですが、今でも全然伝わるというか、むしろゲームや小説の真似をして犯罪を犯したり、常識が常識として通用しなくなってるような今の方が感じることができるんじゃないかなぁ。キャスト目当てでチケットを取ったのですが、見てよかった。ほんとに良かった。ちゃんなかのお陰だよ。
ということでこのメンツの中でちゃんと演れるんだろうか・・・とオカン状態で心配してたちゃんなか(デリ学の某イタリアンの人がちゃんなかのことを“ちゃん中”と表記してたのを思い出したw)こと中村優一くんですが、なかなかの出来でびっくりしました。確かに声量とか滑舌とか3人に比べたら全然ダメですよ?というか比べるまでもないんだけど、それでもちゃんとバランス取れてたの。存在感が負けてなかったの。そのことに泣きそうなほど感動しました。すごく華があった。ちゃんなかはもしかしたら舞台の方が映えるかもなぁ。刑事の時は茶色のスーツ姿で誘拐犯の時はオレンジツナギにハンチングとモヘモヘなお衣装を用意してくださいまして、どっちも見たことないタイプのちゃんなかだからもうウハウハですw。スーツ姿であやとりするはスーツ姿で正座してショートケーキ食うは、もうクッハーーーーーーーーーーッ!!!っつーサービスもございまして(ケーキは永山くん以外3人で食ってました)、いやー、ほんといい舞台だw。ちょーっと太もものあたりがムッチリしてるような気がしたんだけど、毎回カップラーメン汁まで飲んでケーキ食ってりゃムッチリもするよなぁ・・・・・・・・・。
スーツ姿と言えばですね、トゥティーのスタイルの良さは異常!!!!!細みのスーツをあんなにカッコよく着こなせるだなんて罪!!!隣に並んだちゃんなかがどう見ても着せられてる感タップリなもんだから余計に素敵に見えましたw。あとながやんの童顔っぷりも異常w。ちゃんなかの後輩がながやんってどう考えてもおかしいはずなんだけど、ばりばり違和感なんだけどw、舞台上では成り立ってしまった不思議