西澤 保彦『収穫祭』

収穫祭

収穫祭

1982年の8月17日。台風の影響で暴風雨に見舞われた首尾木村の集落で、14人もの人間が虐殺された。生き残ったのは家族を皆殺しにされた3人の中学生と彼らが通う分校の教師1名のみ。彼らの証言から犯人は町で英語教師をしていた外国人男性と断定されるが、彼もまた逃走途中、増水した川で事故死した。それから9年後。犯人とされた外国人の家族の依頼により、一人のフリーライターが事件の再調査を開始し、生き残った関係者の行方を追い始めると、再び惨劇の幕が上がった。


両拳でガッツポーズ。こういうの求めてました。夏はやっぱり辺鄙な村で起こる大量惨殺事件ですよっ!!読み応えありまくりでした。まず殺され方にロマンがあります。真夏の暴風雨というシチュエーションと相まって、濃厚で絡みつくような臭気がドバドバ漏れてきます。そしてやはり西澤保彦ですから、無駄なエロスもあり(笑)。中学生の青臭い欲望と、大人の薄汚い欲望が無駄に渦巻いてます。そしてそして最終的な着地点はぶっ飛び設定と(笑)。

9年後の惨殺祭はともかく、村で起こった事件のほうはきっとこの動機でこの犯人がここまでするか?ここまでできるのか!?って疑問に思う人もいると思うけど、私はこの人の物語に出てくる 女 ならばできると思う。西澤小説の女ならできる。いきなりわけわからん殺人組織の話になっちゃったのにはまぁ若干苦笑いですけど、中枢にいるのは女ってところが、結局男は女の玩具でしかないってとこが西澤さんらしくて、いいんじゃないかなと思いました。


女は怖いよねー(笑)。