香納 諒一『孤独なき地』

都知事と一部の議員のゴリ押しで設立された警視庁歌舞伎町特別分署“K・S・P”の仮庁舎玄関先で起きたライフルによる銃撃事件を発端に新宿で吹き荒れる銃撃事件の嵐。K・S・P特捜キャップである沖は、現場に口を出したがる新任のキャリア署長に邪魔をされながらも、入り組んだ勢力地図を掻き分け、真相を求めて疾駆する。


風邪明け+花粉症の頭を抱えながらだったせいでしょうか・・・勢力図がさっぱり分かりませんでした。なんか近頃私の処理能力が著しく低下してる気がする。花粉のせいだと思いたいけどもしかして歳のせい・・・?キャー!。
新宿の刑事に(小説の中では)よくいる勘が鋭い猪突猛進型はみだしタイプの刑事が主人公なのですが、これがもうとてつもなくモエない(笑)。タコ入道な外見もそうだけど、やたらと人に対して傲慢な物言いをするのも好きじゃないし、粗暴なのかと思えばそのくせキャリアの上司に対して言葉に詰まる場面があったりして、スカっとしない。かといって頭で考える暇があったら砕けてもいいからまず当たってみる・・・というタイプでもないんだよなぁ。なんかブレてる。部下も一見個性的に見えるんだけどよく読むと主人公に都合のいい動きしかしてない上に結局空気化してるし、ヒロイン役の女キャリアもやたらと巨乳描写があるだけで顔はちっとも見えてこないし、誰一人魅力的な登場人物がいないので、警察小説として読むのはちょっと厳しかった。ストーリー展開も予想通りすぎて驚きとかトキメキは全くなかった。この人たまに傑作を書いてくれるんでつい期待しちゃうんですけど、今回は壮大なハズレでした。
そろそろスカした青春小説が読みたいなー。