『セクシーボイスアンドロボ』Voice 01「三日坊主」

こんだけクセのあるキャストそろえた割には思ったほどサブカル臭がしないというか、映像もストーリーも真っ当で、込められたメッセージも「生きる」ことの意味と直球ど真ん中だし、設定は遊びまくってるけど芯の部分はストレートなドラマになるのかなぁという感じ。もっと実験的なものを期待してたとこはあるんだけど、木皿さん独特の不条理だったり寂寥感みたいなものはちゃんとあったし、初回はまずまず満足です。
事前に番宣しまくってくれたせいで、始まる前からもう1話を見た気がするぐらいストーリーは分かっちゃってたもんで特別驚きみたいなものはなかったけど、とっくり刑事でしたっけ?ドラマの中に三日坊主が映りこんでて、確かに生きた証がそこにあって、もちろんニコとロボの中にも生きているってのはベタだけど、ちょっとじんとした。冒頭で岡田くん演じる悪い男が三日坊主をボコボコにしてた理由が分からなかったのと、ニコとロボが即効仲良くなってるのが謎だったけど。
例え記憶をなくしてしまう淋しい人だと同情したにしても殺し屋であることは間違いないわけで、悪い奴なのかもしれないけど三日坊主に殺された人がいるわけなのに、そこには全く思いをめぐらせることなかったり、当たり前のようにテレクラに電話したり、独身オタク男のウチに夜遅くまで居たり(夜ご飯いらないって親に連絡するようなシーンはなかった)、父親は牛乳瓶の蓋あつめて生きる実感を得るような人だし母親は旦那大好きっぽくてちょっと不気味だしwお姉ちゃんは買い物依存症っぽいし、ごくごく普通の家庭・・・とはいえないけどまぁ一応普通の家庭の子っぽいのにちょっと問題行動を取ってしまうニコという中学生の少女の不安定さを単なる好奇心で片付けないで欲しいなと思う。ちょっと気になったのは、ニコは耳が良くて一度聞いた声は忘れなくて、雑踏の中でも聞き分けられるってのはまぁ受け入れられる設定なんだけど、ビルの中(テレクラ)にいるロボの声を聞き取れる(声が聞こえる)ってのは耳の良さの質が違うと思うんだけど・・・。あとロボなんの仕事してんだろってのも気になるわー。サラリーマンらしいけど、隠れオタクというよりもあからさまに挙動不審なオタク青年でしたからねw。普段はサラリーマンと中学生をしてる二人がひょんなことからであってスパイになって事件を解決する・・・ただそれだけじゃ物足りない。ちょっと変わってるかもしれないけどでもまぁごく普通の二人がスパイという言ってみれば裏世界に足を踏み入れる理由が欲しい。そこらへんは木皿さんだけにちゃんと描いてくれると信じてます。

キャストはみんな期待通り。あたしのお好みは塚本監督演じるニコのパパw。縁側にボケーっと座ってるだけでも雰囲気あるわ。はいりさんと二人で徐々に地味にひっそりと変態臭を出していっていただきたいところw。あと岡田くんもいいわぁ。気が弱いんだけど外では悪ぶってるってんじゃなくて、中学生を乱暴に扱ったり流血するまで人殴ったりすることをなんとも思ってなさそうな思いっきり悪い男なのに、あの人にだけは逆らえない理由も楽しみw。主役の二人はまだ頑張りすぎてていかにも必死!!!って感じがするので、もうちょっとゆるーくなるといいかなぁと思った。でもロボの「マックスパーーーーーンチ!」のガチガチ感だけはそのままでお願いしますw。