辻村 深月『スロウハイツの神様』

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)

人気急上昇中の女性脚本家・赤羽環が所有するアパート「スロウハイツ」で共に暮らす若者たち。その中には、10年前自らのファンが大量殺人ゲームを主催して世間を騒がせた人気作家チヨダ・コーキもいる。小さい衝突を繰り返しながらもゆっくりと、心地よい日々を送る彼らだったが、新たな入居者の存在が彼らの間に変化をもたらす。


この言葉って、この人にとってはきっと褒め言葉だと思うんだけど、子供と大人の境目のおとぎ話という感じ。ふわふわしてて、現実味のない物語。
エンディングに向けて過去の出来事や会話がスルスルっと手繰り寄せられていく流れは上手いとは思うけど、私にはちょっと綺麗事すぎるし、一度書いたもの(例えばコーキの天使ちゃんの手紙とか)を再度繰り返すのがうっとおしかった。
異性に対する愛、友情、自己愛・・・すべての行動の原点は形はどうあれ、愛である。愛がなくちゃ人は生きていけない。それは確かだけど、愛だけじゃ生きていけないのが大人です。