- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/30
- メディア: 単行本
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これはチーム・バチスタの続編という扱いなのでしょうか?愚痴外来の田口先生は顔見せ程度にしか出てこないので、同時期に刊行された「ナイチンゲールの沈黙」が純粋なる続編で、これは続編と言うよりも白鳥・姫宮の変人コンビシリーズと言ったほうがいいかもしれません。語り部である孤独なオチコボレ医学生の性格故か、全体の雰囲気は耽美系というか秘密の花園に迷い込んだ青年の物語という感じ。そして漂うナルシズム。終末医療、ひいては死を疎かにしがちな現代医療への問題提起と言えばいいでしょうか、特に巌雄院長が言ってることなんて最もだと頷きながら読みましたが、バチスタ〜と違って、設定がぶっ飛んでる上にやけに飾られた文章で描かれているもんでどことなく絵空事のようだったし、予想通りの着地点だった割には途中で思いっきり迷走していたり、エンターテイメント性は前作にははるか及ばないなと感じました。それに、このシリーズの肝はやはり白鳥のキャラクターにあるわけで、白鳥の部下である氷姫こと姫宮の本格デビュー作だという位置づけだとしても今作の白鳥は物足りない。今回のターゲットが死亡時医学検索という自分のテリトリーにモロ嵌りだったせいで、切れ味が鈍くなるのは致し方ないとは思いますが・・・。とりあえず「ナイチンゲール〜」に期待します。