中村 航『絶対、最強の恋のうた』

絶対、最強の恋のうた

絶対、最強の恋のうた

愛情をただただ育みたいと願うこと。
僕らの愛情の交換にゴールなんかはなくて、白黒つけるものなんか何もなくて。
それはただただ育むもので、得られる愛情も、与える愛情もそんなものはなく、
ただただ育みたいと願うこと。そんな祈るような気持ち。

痛い痛い。胸が痛い。私の恋愛はいつも、数字にしたら私は2〜5ぐらいしか与えずに、相手には20、50、100、500とどんどんどんどん求め続け、どこまで求められるのかどこまで私の要求を受け入れてくれるのか、それを試しているようなものなのだ。本当なら私だって100ぐらい与えられる、与えたい、と思うのに、でも与えずに求め続けてしまう。何度も同じことを繰り返してしまう。ただただ育みたいと願うこと。とてつもなく高い壁だわ。

「I LOVE YOU」というアンソロジーに収録されていた『突き抜けろ』が元になっていると言ってもいいのでしょうか。あの話を中心に、主人公の男子・僕(大野)と主人公の女子・私(カナリアA)が育む一つの恋を、二人それぞれの視点で見て感じる物語。実際にあった出来事は一つなのに、男子と女子では感じ方が違ったりする。総じて男はロマンチストで、女は前向きで、強い。坂本には是非とも幸せになってもらいたい。木戸さんは・・・・・・そのままでいて。