小川 勝己『イヴの夜』

イヴの夜

イヴの夜

愛する彼女が殺されたというのに、ストーカーの疑いをかけられマスコミに追い回され疲れ果てた男と、東京から南へ転々とし、孤独な人生を送るデリヘル勤務の女。孤独や絶望や喪失感を知った者だけが、かけがえのないものに気付くことができるのだろうか。


これ、かつみんじゃない作家さんが書いたならば、きっと一風変わったラブストーリーとして読めたと思うのですよ。全然好きじゃないけど、まぁ普通にそう受け止められたと思う。でもかつみんなのです。腐ってもかつみん(腐ってないけど、多分)。自分は健全な付き合いをしていたと思っていたのに、世間からはストーカーキモ男だと思われ追い詰められる主人公男の心情や、デリヘル仲間の女が年下美少年にこっぴどく捨てられる様子、そしてそれをザマーミロと見ている主人公女の描写が生々しすぎて、やっぱりかつみん、さすがかつみん、これこそ私のかつみん!という感じ。普段は大人しいんだけどスイッチ入ると口汚くなる主人公女の設定とか、ああ、こんな女とこんな出会いをしてみたい・・・的な願望ですか?とまで思ってしまいました。
そろそろグログロな長編が読みたいなぁ。