道尾 秀介『シャドウ』

シャドウ (ミステリ・フロンティア)

シャドウ (ミステリ・フロンティア)

癌で母親の咲枝が死に、凰介と父の洋一郎は二人だけの生活を始めた。それから数日後、咲枝の幼馴染であり、家族ぐるみのつきあいをしていた恵が夫の職場の屋上から飛び降り自殺を遂げる。1行だけの遺書を残して。続いて恵の娘であり、凰介の幼馴染の亜紀が交通事故にあい、そして洋一郎までもが変わってしまい・・・。父とのささやかな幸せを願う小学5年生の少年が辿りついた真実とは。


後味悪っ!でもこういうの大好きです。その言動といい思考力といい、全くもって小学生の男の子らしさはありませんが、そこがまた妙な気持ち悪さを醸し出しててなんかイイ。それから、行間に漂うなんとなく背徳的なエロティシズムもなかなかイイです。同じように小学生が主人公だった「向日葵の咲かない夏」を読んだ時も思ったのですが、子供の将来が心配です・・・。凰介はいつのまにこんなに強くなったのだろうなんて考えてる場合じゃねーぞ、父ちゃん!