佐飛 通俊『円環の孤独』

円環の孤独 (講談社ノベルス)

円環の孤独 (講談社ノベルス)

宇宙ホテルで高名な探偵が密室の中で殺された。彼は3年前に起こったある殺人事件を解決するつもりだったと言う。その殺人事件とは、67年前のイギリスへのタイムスリップ中に起きたもので、しかも密室殺人であった。二つの事件を繋ぐものとは!?探偵の相棒であった英国の警視と宇宙旅行に参加していた日本の刑事が事件に挑む。


宇宙にあるホテルというこれ以上ない孤立した環境の中に、更にDNAでロックされた各客室という密室レベルにおいては最高峰なシチュエーションに胸が高鳴ったわけですが、とにかく人物名が覚えられねー!!!日本の刑事以外は外人さんで、語感が似たような名前の人物が何人かいて、物語と密接に関わるわけではないのですが、人物造詣にそれぞれの職業が占める割合が結構あるもんで、何度人物表に照らし合わせたか。これぐらい頭に入れられないなんて、私歳とったんだな・・・と妙なところで意気消沈。自分の脳レベルを棚に上げて言うことを許してもらえるのならば、人物の書き分けができてねーんだよ!と強気な発言をしてみる。こういう物語って、密室の謎や犯人当てとともに人間模様も楽しみたいものなのですが、全く個々人に興味湧かないんだもん。ほんと記号。
舞台装置は今年読んだ本の中では一番ってぐらい凝ってると思うんだけど、凝ってるのは装置だけで、その中身(謎)は余りにも単純すぎてむしろ盲点かも。推理もかなり荒っぽいし、宇宙ホテルでの2番目の殺人なんて、せっかくそんなイジリ甲斐のある事件なのにアッサリしすぎ。この被害者が実は○○○だったってのがある意味一番驚いた瞬間だったかも。
それにしても装丁安っぽ!!