
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/10/13
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (151件) を見る

- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/10/13
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (120件) を見る
そこかしこに日本の文化が取り入れられているイギリス圏にある架空の小国が舞台。その微妙な設定が不思議な魅力を醸し出し、そこに切り裂きジャックを思わせる連続殺人事件と、魅力的な親戚が10年前に密室から消えてしまったというミステリ的な要素と、甦る(幽霊が見えるというべきか)死者達に怪しげな行事というホラー的な要素が絡み、物語の世界に引き込むお膳立ては素晴らしい。登場人物表を見ると、相当大勢の人物が登場するように思えますがあれでほぼ全員。主要な人物は7.8人といったところなので、人物の把握も大変じゃないし(それほど書き分けはできてませんが)、上巻はそのファンタジーっぷりにグイグイ引き込まれました。
でもそこはやはり恩田陸。ファンタジーとしてはなかなか素敵ワールドを繰り広げてくれるものの、盛り上げるだけ盛り上げておいて、やっぱり結末はショボショボです。「血塗れジャック」事件、10年前の密室から失踪事件共に結末は超適当。でもま、恩田陸らしいっちゃらしいし、そもそも瞠目するような結末なんて望んでないのでいいのです。そこに至る過程をどこまで楽しめるか、が恩田陸だと思っているので。ということで、これはなかなか面白かったと言えます。
今回はないかなーと思ったらやっぱり出た「〜かしらん」それもかなり唐突に。これが出ないと落ち着きません。
上下で3,600円の価値があるかと聞かれたら「ないっス!」とキッパリ答えますが、装丁が綺麗なので後悔はしてません。・・・してませんよ。