- 作者: 日明恩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/19
- メディア: 単行本
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まんまIWGP。前作からそれっぽいノリではあったんだけど、今回は完全にIWGPですわ。全くそんな風には感じないよ?って人もいるかもしれないけど、私には思いっきりIWGPの真似としか思えない。話自体は親子関係をテーマにしていて、それなりにいいエピソードがなくもないんだけど、70過ぎの老嬢(この言い方もなんかイヤ)を姫と呼んだり、問題がある少年と公園で出会い友達になったり、たった一人で自分を育ててくれた母親のことをイカすだとかイイ女だとか思ったり、付属品がことごとくIWGPを思い出させるんだよな。部品だけならまだしも、文体までも必死であのノリを出そうとしてる感じがして、なんていうかちょっと厳しい。そりゃ、あれは参考にしたくなるぐらいよく出来たシリーズだと思いますよ。参考程度ならアリだと思う。でもこれは思いっきり目指しちゃってる。オリジナリティがかけらも見えなかった。そしていっちばんキツイのが、主人公の雄大もそのマブダチ裕二もちっともカッコよくないってことなわけです。想定してるのはキングだろうけど、あれは特別です。「クールでリアリストでアバンギャルドでセンシティブ」言いすぎ。「あ"?」言いすぎ。もう分かったっての。もう1つのシリーズでも2作目が猛烈駄目だったのですが、安定した部数が見込めるわけだから、どんどんシリーズ化したいのは分かるけど、その為には主要人物がしっかりしてないと話にならないわけで、主要人物の成長っぷりや人間関係にググっと入り込ませてくれなきゃ楽しめないのです。だからこそシリーズモノは2作目が良くなきゃ駄目だという持論を持っている私でして、今のところどっちの人物にもそれだけの魅力はないと思う。というわけで、この人ってシリーズモノを書くのに向いてないんじゃないかなぁと思った。やっぱり基本は一作入魂ですよ。