五十嵐 貴久『2005年のロケットボーイズ』

2005年のロケットボーイズ

2005年のロケットボーイズ

運の悪さにはちょっと自信のあるオチコボレ高校生のカジシンが、退学と引き換えに学校代表としてキューブサット(四角い人工衛星)を作る羽目に。幼馴染や学校のはみ出し者を寄せ集め、夢はでっかく手作り衛星をマジで宇宙へ飛ばそうぜ!本邦初の理系青春小説。

かーなーり、面白かった。高校生がたった何ヶ月かで人工衛星作っちゃうって実際のとこどうなのよ?って思わなくもないんだけど、100%文系の私にはそこら辺のことは完璧に分からないし、面白かったからいいの。「理系青春小説」ってだけあってインドアな感じは否めませんが、世間的にはオチコボレとされてるけど、それぞれ良いとこがある登場人物たちが、ワイワイ言い合いながら何かをやり遂げ、そして居場所を見つけていく様子は、石田衣良とか金城一紀に通じる雰囲気で、そこらへんが好きな人は是非是非読むといいと思う。
こうやって若さと無知と勢いで何か行動を起こせるのは人生に置いて一瞬の間だけだと思うし、それを通り越した今となっては、諦めないで頑張れば夢はかなう・・・とは到底思えないんだけど、でもやっぱりこういう話は気持ちがいい。後半、心に問題がある子がピンチを救うためにある行動を起こすんだけど、ベタだわーと思いつつもウルりました。これぞ青春。これ、映画化したらいいと思う。ドラゴン役は平岡祐太で。これだけは譲れません。ていうか、私いつもこの人の本は映像化すればいいのにーって思ってる気がするなぁ。