ヒキタ クニオ『原宿団地物語』

原宿団地物語

原宿団地物語

キラー通り沿いに立つ「原宿団地」。そこにはさまざまな事情を抱えたさまざまな人が住んでいる。メーカーを定年退職した小曽根さんもその一人。団地の敷地内を掃除することを日課としている小曽根さんとちょっと変わった住人たちの物語。

読み終わった感想は「・・・・・・で?」。
事情を抱えた住人たちが、小曽根さんと接することによって救われたり前向きになったりするという展開は想像してたし、まーこんなもんだろと思うんだけど、私の中ではヒキタクニオは毒の人なんだよな。たまには心温まる小話を書いたっていいですよ。でもさー、やっぱりその人の芯みたいなものは残してほしいと思うのですよ。登場人物たちが抱える事情や悩みは、闇かもしれないけれど、毒ではないのです。しかもなーんのスパイスもない単なるいい話ってだけで、悩んでた人々が小曽根さんに語ることでアッサリヒョッコリ光が差してハッピーエンド・・・じゃ「へーよかったねー」で終わりですよ。それ以外なんの感想も持ちようがない。
多分2度とこの本を読むことはないと思う。というかむしろ、文庫になった時パラパラめくって、読んだことないと思って購入して、半分以上読んだところでもしかしてこれって読んだことあるかも・・・ギャーまたやってしまったー!って落ち込むパターンになりそうな予感・・・。要するにね、この程度の内容をハードカバーで出すんじゃねーよということです。