
- 作者: 吉村萬壱
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
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うわー・・・救いねー。読む前に想像してた物語とはぜんっぜん違う。リンチレイプ殺戮祭り。とにかくどん底。極限状態に置かれた人々の「思い」は死につながり、異形の怪物の存在の影にはそれと同様、あるいはそれ以上の人間のエゴがある。どうしようもない終末を目前にし、人間として何かを「思う」ことの意味を問う・・・。うーんなんか違うなぁ。
「意思」と「欲」の物語だなぁと思った。生死を左右する場面で、もう死んだ方が全然マシなんだけど!という状況で、それでも何かを「思う」。「思う」ことが人間なのか。「思う」ことを放棄するために殺戮を行う人間は人間ではないのか。そもそも「思う」とはなんなのか。立ち位置が曖昧になる感じがした。そしてこの話は答えを教えてはくれない。