有川 浩『塩の街』

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)


あちらこちらでこの著者の名前を見かけるので、ずっと気になっていたのですが、表紙がアレなもんで躊躇してました。っても画像でないし。覚悟決めなきゃ読めんて・・・。
まず、人間がだんだんと塩になるという設定が具体的にイメージできない。メデューサと目が会うと石になっちゃうってあるじゃないですか。あれの塩バージョンみたいな感じなのだろうか。どんどん人間が塩化していくという、へんてこりんだけど絶望的な状況の中で紡がれるちょっと切ない恋愛物語ってやつが、一組の男女を軸としたショートストーリー的に延々と続くのかと思って、なんじゃこりゃと眉間にシワ寄せまくりながら耐えてたわけですが、後半に入ると一転、自衛隊物語。それはそれでなんじゃそりゃなんだけど。ヒロインも前半は不思議少女みたいだったのがいきなり健気に愛を貫く乙女になってました。結局少しばっかり歳の離れた男と少女のラブストーリーってだけでした。
何が世界を救う愛だ。アホか。
てっきり著者は男だと思ってたんですよ。だからあんまり運動神経がよろしくない文系の男がいたいけな少女との純愛を夢見てこんなん書いちゃったんだろうなぁと思ったわけですよ。それはそれでわかりやすーい願望だわね、安いけど。て思ったわけですよ。そしたら、著者は旦那もいる女だってんじゃないかよ。逆じゃん。夢見る相手逆じゃん。ちょっと崩れてるっぽいんだけどでも硬派でしかも超優秀な戦闘機乗り(この言い方がまたすっごい気持ち悪い)に、全身全霊守られたい!お前の為だけに闘うなんて言ってもらいたい!みたいな願望全開物語じゃないですか。なまじその願望を理解できるだけに、これは無理。あと絵も無理。顎ないやん!とんがってるやん!
別の作品を読みたいと思っていて、とりあえずこっちを先に読んでみたのですが、もしかして失敗しちゃったですかね。
でも、入江はちょっと好き。