真保 裕一『真夜中の神話』

真夜中の神話

真夜中の神話

発端は飛行機の墜落だった。インドネシアで起こった飛行機事故から唯一生還したアニマル・セラピーの日本人研究者。彼女は、夫と娘を同時に亡くした過去に囚われている。山奥の村で村人に助けられた彼女は、神秘的な歌声を持つ少女と出会う。身体が回復し、街へ降りてきた後、その村は周囲の街から吸血鬼の村と恐れられていることを知る。同時期にチャイナタウンで胸を刺し貫かれ首を切られた死体が発見され、やがて周囲に怪しげな人間が現れ始める。それぞれの思惑を胸に秘め、彼女達は再び吸血鬼の村を目指す。


あえてオカルト的なあらすじの書き方をしてみました。でも実際はもっと科学的です。吸血鬼は撒き餌みたいなもんかと・・・。舞台は外国、登場人物もほとんど外国人。おまけに宗教絡みということで、想像しにくいせいか淡々としてると思った。全く自分とは関係ない出来事というか、お話だからもともと関係あるわけないんだけど、勝手にやってれば?みたいな感じで話の中に入れなかった。登場人物もどれもほぼ記号だし。謎の少女もあえてそうしてるのかもしれないけれど、輪郭がおぼろげなの。その力も感覚的なものなので伝わらない。
主人公のアニマル・セラピー研究者という設定も、それほど必要な設定だとも思えない。もっと効果的な設定の仕方があるんじゃないかと思うけど、これは恐らく作者がアニマル・セラピーに興味があるのではないかと邪推。
後半、空を多い尽くすコウモリの群れやイルカの群れ、アクションシーン、この人物は○○だったのかー!そこらへんはそれなりに真保先生。
あまり芳しくない感想なのは、吸血鬼伝説に釣られたせいです。まんまと釣られた私が悪いんだ。きっとそうだ。