五十嵐 貴久『Fake』

Fake

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興信所を営む宮本と、宮本の親友の子供で東大生の加奈は、美術の才能はあるものの、とてつもなくバカでデブの浪人生を芸大に受からせるためカンニング作戦を決行した。作戦は完璧で失敗するはずなんてないのに、カンニングは露呈し宮本と加奈は全てを失った。彼らを嵌めたカジノオーナーに復讐をするため、宮本と加奈、デブと区議会議員であるその親父は10億円を賭けたポーカー勝負を挑む。入念なイカサマの準備をし、絶対に勝てる勝負のはずだったが・・・。


この人は悪役を描くのがうまいなぁと思う。主役の4人組よりも悪役であるカジノオーナーの方が断然魅力的。あとデブ。デブのキャラクターが強烈で、復讐劇そのものはどーでもいい感じに思えてしまった。ストーリーの流れは予想通りなので特別驚くようなことはないかな。この作家はなにげに高レベルのエンターテイメント作品を出してくれるということで注目しているのですが、これはどこに重点というか焦点を置いているのか分からなかったので、ちょっと中途半端な感じ。ポーカー(ギャンブル)ネタを使いたかっただけなんじゃないかなぁとか思った。それなりに面白かったけど。映像化狙いなのかな、もしかして。CCDカメラを駆使するパターンなので、映像化すれば分かりやすいし映えると思う。考え出すと映像がバンバン浮かぶな。デブ役は三瓶で。あ、これはいいぞムカつく〜。んで、カジノオーナーは北村一輝で。すいません、好きなだけです。