小路 幸也『Q.O.L.』

Q.O.L.

Q.O.L.

男二人に女一人っつードリカム編成な男女がひょんなきっかけで一つ屋根の下で暮らすことに。お互いを尊重しつつ心地よい暮らしを送っていたある日、家の持ち主である龍哉の「生物学上の」父親が死んだ。龍哉にカッコイイ車とそして弾入りの拳銃を残して。拳銃という存在が引き金となり、くるみと光平はそれぞれの過去を清算しようとする。


ファンタジーですね。みんな揃って過去ありすぎ。そういう人達だからこそ繋がりあえたのかもしれないけど。そもそものきっかけが偶然ってのがどーなのよ?と思うものの、この人の魅力はリアリティとかそういうところにあるわけではないと思うので、そこらへんは突っ込まないことにする。これまでの2作よりミステリ要素が強くて、硬質な感じ。あとスタイリッシュって感じ。でもこの路線は伊坂がいるからなー、こういうものなら伊坂読むよと思った。好きな感じだし、面白かったんだけど、どこか懐かしいような感覚ってのがこれにはなかったから、私が求める小路幸也ではないかなー。もっとロードムービー風のものを想像してたので、せっかくカッコイイ車がそこにあるのに、こんな使い方はもったいないなぁ。
それにしても龍哉かっこよすぎる。この人の存在が一番ファンタジーだ。