夜を徹して80キロを歩くという高校生活最大のイベント「
歩行祭」。貴子は一つの小さな賭けを胸に秘めていた。もし賭けに勝ったらずっとずっとわだかまっている想いを
清算するために一歩踏み出そう。生徒たちはそれぞれの思いを胸にゴールへ向かって歩きはじめる。
ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説だそうで・・・。これまた体温の低そうな美少年・美少女ばっかりです。歩き通して汗だくだし臭くもなってるはずだけど、ちっともそういう湿度は伝わりません。ま、いいんだよね。誰も
恩田陸にそういうリアリティみたいなもんは求めてないわけだし。たまには誰にも相手にされない不細工とか出してみろーとか思うけど、そういうのが出てくればそれはそれで「物語の雰囲気壊れるからやめて」とか思うんだろうな。綺麗な顔した賢い少年少女たちが好きだのなんだの絡み合うわけですよ。これぞ青春ですよ。
・・・正直んなことはどうでもいいわけです。もうあの頃には戻れないんだなとチクチクする胸の痛みを感じるために
恩田陸を読む。輝いた未来なんて待ってないことに薄々気がついていることを確認するために これからも読む。M型読書。