佐々木 譲『ユニット』

ユニット

ユニット

未成年者に妻と生まれて間もない娘を殺された男。警察官であり外面のいい夫の暴力に苦しめられている女。地下鉄のホームに落ちた人を偶然救出したことがキッカケで、同じ職場で働くようになる二人。共に心に傷を負った二人は分かり合い、そして立ち直ろうとするが・・・。少年犯罪、DV、復讐権などなどおもしろそうな素材が盛りだくさんなので期待して読みました。が、全くの期待はずれ。なにその棚ボタ的なオチは。警察官である夫の偏執的ともいえる執着心でもっての追いかけっぷりだったり、仮出獄した馬鹿な犯人に実際に復讐しようとするところまでは、なかなか読み応えがあったのに、その後は投げやり?そんなめでたしめでたしでいいわけ?って感じ。駄作です。「ユニット」ってタイトルも全然馴染んでないし。ユニットの意味を覚えたから使いたかっただけなんじゃないの?とまで思ってしまうぐらい酷い。設定はなかなかおもしろいと思っただけに、すっごい残念。