東 直己『熾火』

熾火

熾火

私立探偵畝原シリーズ。大好きなシリーズなだけに、こんなの最低。憤りっていうのかなぁ、そういう気持ちでいっぱいで、そして哀しくて少し泣いてしまった。偶然血まみれで傷だらけの少女を助けた畝原。その少女に関わったことをきっかけに何人もの人が死に、大切な人が傷つけられる。そしてその裏にはキチガイ犯罪者。あーもうなんなのこれは。酷すぎる。もちろん作られた物語なんだけど、虐待とかそういうのほんといや。しかもこの作品の場合、虐待そのものは副産物でありオマケ的なものなの。ただのキチガイの余興なの。そういう行為に対して率先してなにかできることはないだろうか?なんて考えたりはしない。いやだから、全然わかんないからとりあえず見ないようにする。そういう大人が一番悪いとか言われても触りたくないもんは触りたくないんだ。で、オマケが虐待で、メインは警察の腐敗。まさかここまで酷くはないだろうと思いたい。どこの世界も偉い人、頭のいい人だけが得をするんだ。悪いやつばっかじゃないだろう。必死に働いてる人だってたくさんいるだろうし、必死じゃなくてもただ働いているだけだとしてもそれでも私腹を肥やすとかそんなことできない人がほとんどだろうし。あーやだ。やだやだ。好きだから読み続けるけど、毎回毎回畝原の周りの人が傷ついていくのってどうにかならないんだろうか。傷ついてそして関係が変化、進展するっていうのもちょっと哀しいなぁと思うから。痛すぎるんだもん。