中村 文則『銃』

銃

第128回芥川賞候補作ということで、この時受賞したのは大道珠貴さんの「しょっぱいドライブ」。ずっと読んでみたかった人で、新刊の「遮光」を読む前にこの作品から読まないと、と何故か決め付けてました。たまたま散歩してたら銃を拾ってしまった青年の話。銃をなんのメタファーとして見るか?ってことなのだろうか。それともなにかのシンボルとして見るべきなのかな。なんだか色々と考えることができる、というか何度読んでもその時の気分で受ける印象が変わるような感じがする。破壊することができる力があるからヒトに(いつもより)優しくできる。でも破壊したい気持ちはそんなに長く抑えてはおけない。瀕死の猫を撃つシーンが印象的だった。好きです、この作品。