五條 瑛『黒を纏う紫』

黒を纏う紫

黒を纏う紫

少しだけ未来の日本。欧米がかつて「核」と呼ばれたものを拒絶する道を選ぶ中、日本は原子力エネルギーと共存する道を選んだ。次々と新タイプのエネルギーが実用化され使い放題の電気のおかげで東京は「夜の都」と呼ばれるようになる。そして「移民」と呼ばれる不法滞在者が街に溢れる。東京を支える「特殊物質」を狙う狂信的で暴力的なカルト集団、移民を牛耳る地下組織「楽園上海」のボス、そして滅びの美神が舞い降りた瞬間夜の都はパーティの舞台となる。主人公は特殊物質を運ぶ運転手で一番普通の存在で、しかもやたら女との絡みがあったりして、なんでかなぁと思ったら、これ「東スポ」で連載してたものなんですね。だから微妙にセックスシーンが多いんだな。私は五條作品には、工作員とかを除いて女はいらねー(暴言!)と思ってるので半分ぐらいはどーでもいい描写だった。だって女描くの下手なんだもん。米軍とか防衛庁とか国防省とかそういうのもほとんど出てこないし、一番重要な問題が特殊物質の影響で起こる運転手たちの「勃起不全」というかはっきり言って「インポ」ってとこあたり、かなり東スポ(おっさん読者)向け。それでもお約束の超美形キャラは賢い上に残虐という素敵設定でちゃんと登場してます。五條作品の中でも一般の人(カップリングとか考えたりしないような)向けって感じですかね。