加納 朋子『コッペリア』

コッペリア

コッペリア

私は加納朋子があまり好きではない。いつまでも夢見てる純粋な乙女、というイメージがあるから。きっと作者の外見(華奢で可憐って言うと言いすぎか)も影響しているのだろうと思う。これは同性からの視点。この作品もやっぱり女の子臭がしてる。人形とか舞台女優とかそういう女の子の憧れ的なエッセンスもそうだし、出てくる男もどこか描写が漫画っぽいんだよな。そうやって文句言いながらも真相が明らかになるあたりで何度も前に戻って細かいところを確認しなきゃ分からなかった。しっかり読んでれば気が付いたのに。くそー雰囲気に飲まれた。真相が明かされた後にもかなりページが使われていて、私にとっては余計(というか、好きじゃない)なんだけど、きっとこの物語はここからが重要であって、結局これは、愛の物語なんだな。みんないい人なんだな。美保ちゃんぐらいはやな女のままでいて欲しかったのに・・・。やっぱり乙女だよなー。