- 作者: 大倉崇裕
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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第20回小説推理新人賞受賞作。解説と帯に有栖川有栖。典型的な巻き込まれ型の主人公白戸修くんが活躍(?)します。舞台はほぼ中野。スリやら万引きやらステ看貼りやら、いわゆる軽犯罪を取り扱った犯罪短編集といっていいのかな。とにかくすっとぼけた白戸くんのキャラがいいです。頼りなさそーなんだけど、ひらめくんだよね。そんでいい奴すぎ。卒業試験を控えたある朝に、殺人容疑をかけられた友人が飛び込んできて犯人探しをさせられ、別の日は怪我をした友人の手伝いで怪しげな深夜バイトに借り出され、それでいてお金がなくてなけなしの一万円を下ろしに銀行へ行ったら銀行強盗に巻き込まれ、買ったばかりの携帯に不審な間違い電話がかかってきて、やっと就職できると思ったら入社式のスーツを買いに行った店で万引き犯に間違えられ・・・とまぁ、コントですか?ってな感じ。ほのぼのとしてるんだけど、それほどさわやかというわけでもなくて、ほろ苦いと思った。ぜひ、白戸くんのその後の巻き込まれ譚が読みたい!たまには心休まるこういう話もいいな。