花村萬月『百万遍 青の時代 上下』

百万遍 上

百万遍 上

百万遍 下

百万遍 下

萬月ムカツク。ほんとにムカツク。何か物語を書きたいと思う。常に思う。自分に何もないところから物語を創り出す能力は多分ないと思っている。だったら、今の自分を削って書くしかないのだろうかと思う。「百万遍」は萬月の自伝である。全てがすべて実際にあったことではなくて少しは脚色してる部分もあるのだろう。それでも、こんなものを読んでしまうとなんてつまんない人生を送っているんだろう、私は、と思う。萬月とは20ぐらいの歳の差があるわけで、10代を過ごした時代の差はある。私の10代は一般的な10代より少しは波乱があったと思う。それでもこれを読んだ後では無だと思った。となると、何も書けなくなってしまう。もともと萬月の使う言葉には力があると思っていた。それに加えて過ごしてきた日々の凄みがあるのか。あームカツク。羨ましくて嫌になる。「頭のいいクズ」かぁ・・・。私も絶対好きになる。それもまたムカツク。