サラ・ウォーターズ『半身』

半身 (創元推理文庫)

半身 (創元推理文庫)

昨年度話題になった本。舞台はヴィクトリア時代のミルバンク監獄、孤独な令嬢と霊媒の美少女との交流が描かれています。各種ミステリランキングで高い評価を得ていることは承知していたので、当然ミステリ的な要素があるということは頭にありました。それでも読み始めはオカルト物?それともレズビアン的な物なの?といった感じでどこに仕掛けがあるのかすら全く分りませんでした。それだけに、ラストはビックリ。それまでの幻想的と言ってもいいぐらいの雰囲気から、突然現実が突きつけられるというか、霊的な方面ばかりに心が傾いていたので愕然としてしまいました。最初は探るように読んでいたのに、気がつけば素直な貴婦人の視点と同化していたみたいです。騙された!というよりもそんなぁ〜って感じですかね。
30歳で結婚もしてないと『老嬢』なんですって!ちょっとショック。