『トレース~科捜研の男~』最終話

千原ジュニア演じる壇浩輝がまさかのサイコホモ!!!!!これはなかった!(ドラマや映画や小説における)その気配には敏感だという自負があるわたしですがこのセンはまったくもって予想できなかったー!くやしー!。

で、この展開はアリ。初回からずっとジュニアかよ・・・と、ハギーが加わってからは犯人の本命はハギーだけど隠蔽の背後には壇の存在があるに違いないけどそれがジュニアって・・・という残念な気持ちを抱え続けての視聴でしたが、最終回で千原ジュニアで良かったやん!!となりました。我ながらものすごい手のひら返しであるw。

いやだってジュニアというより高校時代の壇浩輝がとても良かったんだもの。わざわざ他校から出向いてきて金網越しに“笑顔のアイツ”を凝視する高校生の壇浩輝のなんともいえない・・・なんともいえない感(←言葉が見つからない)が実によくてですね、そいつが大人になったらまあこんな感じになるわな・・・という説得力があった。

で、武蔵野一家殺人事件の「実行犯」はやっぱりハギーだったけど、それがなぜ壇経由で隠蔽がなされたのか?、その背景がまた凄かったわぁ。
ジュニアとハギーは基本全然別の話で、兄を甚振ってたら妹が自分を妊娠させた男も甚振ってくれと言ってきたとか、まさかそんな真相だなんて誰も思わないだろ。

真実を知った真野にとって一番キツかったのって、いいお姉ちゃんだと思ってたのに兄を不登校にしたやつらに兄のことなんて「どうでもいい」からと自分を妊娠させ捨てた男に対する復讐を依頼してたことだと思うんだけど(だからわざわざスクリーンを使って“証拠映像”を見せるなどという手間をかけたのだろう)、でもサイコパスである壇が仕組んだこととは言え「姉ちゃんが発端」で「兄ちゃんは自分を守ろうとした」という真実であったからこそ真野は前に進もうと、本当の意味でそう思うことができたのかな。そこにあるのがサイコパス壇の快楽だけであったなら、真野は壇を殺ってしまったのではないかと。壇にしてみりゃ真野に撃たれることは悦び以外のナニモノでもないというか、アイツの弟に痛みを与えられることこそが目的だったわけで(壇が真野のデスクから記念にといってペンを1本持っていくのがとても不自然だったんだけど、これはつまり真野をおびき寄せるためにインクの一致という“餌”を撒くためってことでいいんだよね?)、二重の意味で真野が留まることができて良かったよ。

科捜研の協力がある虎丸たちでさえ虱潰しという手段をとるしかなかったというのになぜハギーは真野と壇の居場所を知ることができたのだろうか?という疑問はそれとして、ハギー演じる早川の救いようのなさも良かったわー。
そこがはっきりしてないように思うんだけど、真野の兄と姉って同じ学校だったの?。早川は兄の担任であり妹とは特に接点があったという話はなかったよね?。例えば兄の担任であり妹の部活の顧問とかなら親密になる下地はあるように思うけど、特にそういう話はないもんで事実としては「受け持ちの生徒の妹に手を出した」「妊娠させ捨てた」という2点だけ。この時点でどうしようもないドクズだし、妹の依頼でイジメられ精神的に追い詰められてるところに「殺しちゃえば」と囁かれ“そうするしかない”と思ってしまって親まで殺しちゃいましたってのは普通の精神状態じゃなかったからだとしても、壇には海外へ逃げろと言われたのに「どうせ殺すつもりだろう」と思って逆に壇を殺そうと考えるとかどうしようもねーなってな話でさ、そのどうしようもなさをそのまんま「見せる」萩原聖人ナチュラルなクズっぷりを堪能できました。