新感線☆RS『メタルマクベス』disc1@IHIステージアラウンド東京

12年ぶり(え!?あれ12年も前のことなの・・・?)の再演、そして橋本さとしが新感線の舞台に帰ってくる!!

というわけで、発表時はすごくすごくワクワクしたはずなのに、いざ観劇日が近づいてくると暑さのせいで(そうだと思いたい)行く気が湧いてこない・・・・・・という感じだったりしたわけですが、行ったらやっぱり楽しかったよねメタルマクベス!!。

ていうか橋本さとし!さとっさん!!(by粟根さん)。

OPでメタルマクベスのロゴを背負いギターを抱き片手を高々と上げる橋本さとしがせり上がりからのシルエットどーん!!ってなった瞬間「ぶっっっっっっわっっっっっっ」と涙がこみ上げましたわ。わたしが新感線を知った時にはもうさとしさんは新感線から離れていて、わたしの知ってる橋本さとしは今の橋本さとしで、新感線と橋本さとしが交差することはもうないのだろうな・・・と、なぜだかそう思い込んでいたこともあって、初見時のこみ上がりっぷりは自分でもマジ驚きであった。二度目も三度目もこみ上げたけどw。

そして今回は演出がすごかった。1年以上通い続けた髑髏城の七人は「カテコが最大の見せ場」と言われたぐらいなので、豪華で大掛かりなセットを複数設置できるというぐらいでその特殊な構造を最大限活かしているとまでは言えませんでしたが、髑髏城の七人を経てのメタルマクベスはもう専用劇場か!ってな勢いで活かす活かす!。客席の周りをバイクでぐるぐる回るとかこの劇場かつメタルマクベスぐらいでしかできない(やらない)演出だろう。じゅんさんローズがバイクを駆る場面とかこの大きさのスクリーンならではの見せ方に驚き通り越して感動する域。演出は間違いなく初演よりグレードアップされてます。jrの雷ビリビリ→ミサイル発射→その後の壊滅世界の流れなんて、日本で上演される演劇でこれだけのスケール感を文字通り「見せる」作品は他にはないと言い切ってもいいレベル。

髑髏は正直他の劇場で見たいです・・・と百回は思ったもんですが、メタルマクベスに関してはこの劇場でしか為し得ない演出なので(役者が演じてる場所(位置)が髑髏よりも高めであることが多いように思えたので、そのせいかセンターブロックでもサイドブロックでも視界の半分が遮られるといったことはなかったです。遮られはするけど。これは見え辛いという意見を受けての改良だと思うので、いのうえさん以下舞台スタッフの方々には感謝の言葉を送りたい)、1回劇場体験したからもういいやと思ってるそこのアナタ、アトラクション感とエンタメ度がさらに増したメタルマクベスも体験すべきですよ!!ぜひぜひ!!。

演出についてはほんともう実際に観て!と言うしかないのですが、髑髏城の七人と一番違うのは「間口の広さ」にあります。客席の幅と同じぐらい間口を取ることによりセットを二つ並べることが出来、二つの場面・場所を同時に見せるという演出は二つの時代を行き来する入れ子構造のメタルマクベスにピッタリで、演出家・いのうえひでのりここにあり!!!といった感じ。このトンチキ劇場+新感線の相乗効果として期待してたのはまさにコレ。

そこで話をもどしますが橋本さとしですわ。この圧倒的スケールのド真ん中に立つ骨太の橋本さとしがまあカッコいいのなんのって!。さらに隣に控える橋本じゅん、そして敵として向かい立つ粟根まこと。ここがですね、ここがですね!さいっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっこうにカッコいいわけですよ!!。W橋本の掛け合いに泣きそうになり、橋本さとしVS粟根まことにグウオオオオオオオオ!!ととなり、ああもうこれを書きながら今思い出し泣きしかけてますw。カテコの最後で橋本さとしが登場してね、新感線の舞台の真ん中で挨拶してね、なんかもう・・・ほんとこの瞬間をわたしに見せてくれたありとあらゆる人に対して「ありがとうございます!!!!!」と土下座で感謝したい気持ちしかないわ。

やっぱり新感線の舞台に橋本さとしが戻ってくるということはそれだけ特別な感情を齎すことなわけで、だからその橋本さとしを相手に物語的にはW主演に近い立場であるマクベス夫人・ランダムスター夫人を務めるってのは相当な重圧であろうと想像しますが、そこは我らが濱田めぐみですから、まったくもってノー心配でしたが、二人っきり時のバカップルパートはそう思われることも込みでのことだろうとは思いながらも「キツイな(笑)」の一言でしたw。若返ったVerの魔女は「若返って・・・ないw」という改変がなされていたのになぜここは初演と変わらない演出なのかとw。

でもそれはすべて狂気に駆られる後半のため、なんだよね。前半のハイテンションからの後半の狂気。狂いながらも熱量が上がっていく様はさすがの濱田めぐみ。そして「小さい箱にしておけばよかった・・・」の、このなんとも言えない絶望感たるや!。disc1のランダムスター&ランダムスター夫人は共に生き共に死す運命共同体感が強く、歌は無論のこと芝居でもしっかりと橋本さとしとランダムスターを支える濱田めぐみのランダムスター夫人でした。

お目当ての松下優也くんレスポールjrはですね、なんと七光り三度笠を歌わなかったの・・・・・・・・・。デビューの下りまるっとカットだったの・・・・・・・・・。これだけは本気で意味がわからない。初見時はあまりのショックで暫くそのあとのシーンの記憶がなかったもの・・・。

優也の元きよしはハットと下半身(パンツと靴下とシューズ)はマイケルで、上半身は栄輔(べっぴんさん)のジャケットというスタイルなんだけど、ただそれだけのキャラでしかなくてもったいないことこの上ない。パール国へ逃げたあとも風貌は変わらなかったし(ハゲヅラもうんこヅラもなし)、jrに関してはおそらくdisc2でもdisc3でもキャラ設定・演出は変わらないと予想しますが(だからjrに関しては全体的に出番も見せ場も削られているのだと)、「炎の報告」ではキレッキレ「明けない夜はSO LONG」ではこれぞ松下優也!な歌とダンスを軽やかに見せつけてくれるもんだから、他の二人はともかくとして優也の三度笠が見たかった過ぎるの・・・・・・・・・。



この会場に対するイメージを180度とまではいきませんが結構好転できたメタルマクベスdisc1だったので、今後への期待が高まるわけですが、次はさとしさんの役を松也さんがやるんですよね・・・・・・。ローズを演じるのが岡本健一さんであるからしてdisc2とは「違う」ものになるでしょうが(岡本健一が半ケツやったら心臓止まるわ!w)、それがどっちに転ぶか怖すぎて内臓が口と尻から出そうです・・・・・・。