越谷 オサム『まれびとパレード』

まれびとパレード

まれびとパレード

かわいいかわいい!なんてかわいい物語たちなのだろう!!。
ゾンビに座敷わらしに泥田坊に邪気という古今東西の「稀人(まれびと)」が人や動物と関わることで何かを齎してくれる4つの物語なのですが、どれもかわいい!かわいすぎていやになっちゃう!。

人間たちはそれぞれ現実的な諸々を抱えてて、だからこそそういう存在と出会い、出会ったことによって人間の考え方が変わったり状況が好転するってのがこの種の話のテンプレで、この本も(最後の1編を除き)概ねその通りではありますが、越谷オサムのいいところすごいところってのはゾンビやら妖怪やらのキャラに人間のキャラが負けないところにあるのです。ゾンビや座敷わらしや泥田坊は魅力的。それは当たり前。彼らと絡む人間たちも大層魅力的。魅力的×魅力的ときたらそんなの最高に決まってるじゃないか!!。子孫とその上司からみた泥田坊さんまじまじ最高だし元カノがみたゾンビ先輩かっこよすぎる!!。

ていうか最後の1編がですね、それまでの3編とは違ったタッチというか目線のお話なのですが、これがもうもうもう、めちゃくちゃ効いてる!!。
あたりまえに人外と交流し幸せがもたらされるお話を読み進めてきたところでこの『人間の知らない物語』が来るってところがほんともう・・・たまらない。ジャッキーズ(邪鬼それぞれのあだ名もだけどこのネーミングのダサさがまた最高でだな!)の夜遊びの先にこういう形での危機が訪れて、それがこういう形で救われるとかさあ!日本の神様まじかっけえ!ってなるよね!邪鬼と四天王と薬師如来様の画像ググりまくっちゃうよねコレね!。
タクシー運転手さんの視点も絶妙な締め具合だし、今回も越谷オサムは安定の最高だな!。